クローンについて


※エンタテイメントエクスプレス放送中
※メール選んだり書き込んだり


1996年の明日、イギリスでドリーと名付けられたクローン羊が誕生。
2年後の1998年、日本でもクローン牛が誕生。
クローン羊やクローン牛が作れたということで、
同じほ乳類である人間にも応用することが大きく広がって…


(バタン)
「おまえ誰だよ?なに人の番組で喋ってんだよ?」


※"本物の"金剛地乱入。
 いっぺんに同じ人が喋ってると混乱するので左右に分かれることに


おまえクローンのことどう思ってんの?
「んー、牛の場合、病気にならないから食糧確保、絶滅回避できるし。
 人間の場合は倫理上の問題があるとか言うけど」
そこなんだよ!人間の場合はセックス、精子卵子が結びついて子供生まれるだろ?
人類の歴史から見て、生命倫理にふみこむことになるの!
「そういえばおまえの親はだれになるの?
 っていうか、俺の細胞から生まれたから俺の子?」
僕は…自分の親もわからないし、自分が誰なのかわかんないし
…この命に意味があるのかなって…。
「でもどう見ても人間だろ?同じ人間なんだから命に意味がないって」
…にいさん…。
「…武志…」
って君も武志だろ?
「そんなことはどうでもいいんだ、
 いいか、おまえは立派な人間だよ。クローンだって性格も感情もあるし」
ありがとう!僕は君のクローンでよかったよ!


「俺もおまえがクローンでよかったよ!やっぱおまえも音楽好き?」
好きだよ。ピアノもちょこっと出来るよ
「じゃ今度ライブやらない?ていうか同じ声でハモれるんじゃない?」
じゃあずさ二号歌おうか!せーのっ


八時ちょうどのぉ
あずさ二号でぇ
私は私はあーなーたーからっ
たーびーだち〜ます〜


「きもちいいー!同じ金剛地だからリズムも息もぴったり!
 いいじゃんこれ!バンドやろうぜ!」
でも…僕クローンだから研究所から出ちゃダメなんだって…
「え?38年間出たことないの?
 じゃ野球とかサッカーもやったことないの?」
うん…ワールドカップはTVで見た
「マジで?じゃおまえ、恋もしたことないの?
 めちゃめちゃ楽しいぞ?胸キュンってするんだぞ」
いいなぁ…恋がしたいなぁ…
「おまえ、社会に出た方がいいぞ?
 いや結構こっちも大変ちゃ大変だけど、楽しいぞ。海とか。女の子裸同然だぞ?
 じゃ俺おまえの代わりに研究所行くよ。一日だけな。
 おまえじゃラジオとかTVとか仕事とか、わからないと思うから」
ほんと?
「行ってこい!そのかわり一日だけな。金もちょっとやるから」
(ジャラジャラ)
ありがとう!
「じゃ俺研究所行くわ。寝てればいいんだろ?
 明日には戻ってこいよ。絶対な。
 じゃな」
(バタン)


※曲:Clone「First Love」


…というわけで、ここからは、僕、クローン金剛地武志金剛地武志に代わってお送りします。
38年間研究所から出たことないんで興奮しております。
ちょっと言わせてください。


クローン人間は金剛地の髪の毛一本から出来るので、人間なのか、髪の毛なのか?
戸籍もないし、どんな権利があるのかないのか、わからないんです。
生命保険に入れるのか。
金剛地が死んだら僕が金剛地になるのか?
金剛地が残したほんの少しの財産…あるのか?
yes, mama ok?の印税とか…これまたあるのか?
誰もわからないんですよ。
僕が金剛地なのか、違う人間なのか。
周りの人間からはそういったことわからないんですもん。
それに、姿形は金剛地武志なんですけど、彼とは性格も全然違うんです。


たとえとして合ってるのかわからないですけど、
一卵性双生児、同じ遺伝子、同じ環境で育っても、姿形は似ていても、違うでしょ?
そしてクローンということでいわれのない差別を受けることもあるかもしれない。


いつか人間はクローン人間を作るかもしれない。
もしかしたら僕のようなクローン人間が知らないところで育っているのかもしれない。
クローン技術、悪い技術ではないし、これによって救える命があるかもしれない。
でも、命を救うためにもう一つ命を作ってもいいのか?なのか?


ちょっと喋りすぎましたかねぇ。クローン人間の分際でねぇ。


今夜のTOMORROWは、クローンについて、TOMORROW目線でお送りしました。
…でももう、研究所には戻りませんよ。僕は。


※曲:Pushim「I Pray」