イヤークリーニング


脳で聞くラジオプログラム。
今夜は二つの質問お答えしていただきたい。
第一問:目が覚めて一番初めに聞いた音はなんですか?目覚まし以外で。
第二問:








今あなたの耳に聞こえた音はなんですか?
ひやひやしますねこの5秒間。(笑) 無音ですよ。
みなさんのメッセージお待ちしています。


※曲:Snail Ramp「777」


聴き方を学びなさい。あなた方は聴き方を忘れている。
世界の驚異に対して、耳を研ぎ澄まさなければなりませぬ。


みなさんイヤークリーニングと言う言葉、ご存知ですか?
良くやってますね。膝枕してね。
「あ、こんなの取れたっ☆」
それとは違います。耳掃除ではなく、イヤークリーニング。
ご存じでしょうか。


私たちの周りにはさまざまな音、溢れかえってます。
そして溢れた音の中から必要な音だけ選んで聞いている。
自分の聞きたい音を聞くために、自然と周りにある様々な音を聞き分けている、ということなんですね。


逆にいうと、必要の無い音に耳を閉ざしてるということになります。
私たちの耳がローファイ化してるといえるでしょう。


ローファイ。
前にローファイ系の音楽が流行りましたけど、
ハイファイは上から下まで、高い音から低い音まできれいに聞こえる。
ローファイは、上や下がつぶれちゃって聞こえない。
そういったことなんですね。


今日はそんなあなたの耳、ハイファイにしてみましょうということなんですね。


目は見たくないときは閉じることはできますが、
耳は閉じることはできるとは思ってもなかったんじゃないでしょうか。
実はそれをやってるということなんですね。


まずはこちら。どんな音が飛び込んできますか。


※雑踏の音


※曲:Marvin Gaye「What's Going On」


いかがですか?
耳をハイファイにすると、この今まで何度もきいてきたマーヴィン・ゲイの「What's Going On」、違って聞こえませんか?


耳を開くと、意識しなかった騒音に気づき、
同時に日常空間に隠されてた音の、視覚の陰で無意識化しがちな現代人の聴覚的感性、思考、そういったものを喚起しようとする考え方が「イヤークリーニング」。


そしてその先にある「サウンドスケープ・デザイン」というものなんですけど、
サウンドスケープと言う言葉、「sound」と"〜の眺め"と言う意味の「scape」を複合させた造語ですね。
カナダの現代音楽作曲家、ロバート・マリー・シェーファーが60年代に提唱した事柄なんですが


音楽とは我々を取り巻く音である、といって
音楽がコンサートホールの中に留まらないんだということを教えようとしたんですね。
音風景の美学、生活における豊かな音の文化、発見できるということなんです。
町の音、靴音から車のブレーキ音などを意識して聞くことによって、あなたの耳がチューニングされ、いつも以上に開いた状態になっていくんですね。
これをイヤークリーニングといいます。
イヤークリーニング、耳掃除ではないんです。
人間の耳は選択的に聞いてるということを意識し直すことなんですね。


いくつかイヤークリーニング、耳を開く方法があるみたいなんですけど、
ロバート・マリー・シェーファーが提唱し、学生に出す課題としてよくやることは、


「一日誰とも喋らず、また、自ら音を出さないようにしてみる」


実際にやった学生は
本当にすばらしい体験ができましたということらしいんですね。
自分から音を出さないということは、
同時に自分の周りにある音、自分の耳の横で鳴ってる音に気を配ることになる。
そうするとハイファイないい耳をもてるようになる。
閉ざされた耳を開いていく、聴き方をデザイン、作曲することができる。
それがサウンドスケープ
わかたかな・アカダミックだな?
アカデ…マカダミアナッツだな。(笑)
わかんないな俺も。
今日は鼻炎の薬をいつもより大目に飲んでおります。


※曲:Bonnie Pink「Tonight, the Night」